小脳はコンピュータ回路のようだと言われる


小脳の構造は、幾何学的で、いかにもコンピュータの設計図のようだということです。1960年代にデビット・マーという数学者が「小脳にも、コンピュータに必要なメモリ要素的なものがある」という理論を提案したそうです。80年代になって運動などの活動によって神経の情報の信号が変わり、小脳にはメモリ要素的なものがあること、小脳が学習機能を持つことが実証されました。さらに最近では、小脳の学習機能が運動だけではなく、大脳による思考の動きにも役立っていることが、はっきりしてきているそうです。かけ算で「サザンガキュー」と覚えるように、何度も学習すると、答えが考えなくても自動的に出るようになる。PETという脳の画像検査では、この時小脳の端が活動していることが示されるなど、裏づけになる研究も出てきているとのことです。

(FIND Vol.15 No.1 1997.1 より)