株価の動きについて

株価の動きについて


株・明日のチャート


株価の予測は難しい。
経済学者のマンテルブローは、株価の動きのグラフが
フラクタル的であると指摘している。




フラクタルについて
http://www.mfi.or.jp/komo/

自然界にみられる動植物や地形などの複雑な形状や現象は、従来は数学で扱う対象で
はないと思われてきました。たとえば、地形や雲の形、動植物の形状はごちゃごちゃ
と複雑な形をしているようです。直線や円などのきれいな形ですっきりと出来上がっ
ていません。また同じ種類の植物でも厳密に言うと全く同じ形状のものはありません。
どちらかというと純粋な原理や理論を扱う数学とは相容れないもののように感じれら
ます。ただし全然規則的でないかというとそうでもなくて、細かい似たような形状が
よせ集まって構成されているようだと気づく方はいらっしゃるでしょう。自然界に見
られるさまざまな複雑な形状も、数式で表現することが可能ではないかと思わせられ
る数学理論があります。それがフラクタル理論です。フラクタル理論は、コンピュー
タの登場により研究が始まったともいえる比較的新しい理論です。

コンピュータ上で簡単な数式の繰り返し計算から導きだされた形状がなぜか植物や動
物など自然界の生物の形に似ているという不思議な現象があります。

パソコン上で作成した植物の形状

ある長さの直線を引いたあと分岐して、前の直線の何分の1かの直線を引いて分岐す
るさらに直線を引きするといったルールを繰り返すと植物のような形状になります。





フラクタルな形状では全体が部分の相似形となっているという特徴があります。例えば下図のマンデルブロー集合では全体の形状に似た形状が部分のあちこちに見られ、さらにどんなに拡大しても同じ形状が現れてきます。フラクタルな形状は無限の自己相似性を持っているということもできます。実は自然界にはフラクタル的なものがたくさんあります。どんなに拡大しても複雑な形をしている海岸線や空の雲の形、雪の結晶、動物や植物、微生物の形などです。(但しどんなにフラクタル的にみえても生物の形状を拡大していくと最後には細胞となり、それ以上は拡大しても相似形は見られないので、厳密には無限に自己相似性を持つとは言えません。)









フラクタルでは全体が部分の相似形となっているという特徴があります。
フラクタルについて勉強していくとちょっとした驚きがあります。例えば、そのひとつとして
コンピュータ上で簡単な数式から作成された形状がなぜか植物や動物など自然界の生物の形に似てい
ることがあるという不思議な現象があります。たぶんこれは、生物の形状を現す遺伝情報がコンピュ
ータのプログラムに似た役割をしているからだと予想します。生物の形状が出来上がっていく過程で
遺伝子に書き込まれたある司令が、繰り返し各部分で適用され、単純な数式を繰り返し計算するコン
ピュータのプログラムと同じような動作をしているのではないかと予想されます。例えば人間の形は
おおざっぱにとらえると胴体と5つの飛び出た部分からできています。5つというのは頭ひとつと
手2本足2本です。ところが手だけを見ても5つ
の飛び出た部分があります。あくまで私の推論ですが、人間の遺伝子の中には「本体から5つの小部分
が飛び出しているような形をつくれ」というような司令をする遺伝子情報があって、その司令は体全
体を形成するときにも手や足を形づくるときにも、それぞれ適用されているのではないかということ
です。






コンピュータのプログラムと生物の遺伝子は良く似たところがあると言われます。コンピュータのプロ
グラムは1と0の2値のからなる情報から構成されていますが、遺伝子はこれに対して4文字の情報
から構成されていると言われています。この4文字の遺伝情報は人間や植物、バクテリアなどすべて
の生物に共通です。生物が多様なのはこの4文字で書かれている遺伝情報の内容が異なるからです。
コンピュータのプログラムを使って、フラクタルの画像をつくる場合に気がつくことですが、同じ数式
から作成される画像でもパラメータを少し変化させるだけで作成される画面上のイメージはずいぶん変
わってしまいます。地球上には非常にたくさんの形態の生物がいて多様に見えますが、遺伝子レベルで
みれば、きっとどの生物もよく似ているのではないかと思います。進化の過程で生物は枝別れして種類
が増えましたが、遺伝子のパラメータがちょっとずつ違うだけなんじゃないかと思います。


リチャードドーキンズの利己的遺伝子の説によれば「遺伝子は自分の進化のために生物を乗りついで
いく」と考えられています。生物としての固体は死んでも遺伝子だけは、子孫に受け継がれて行きま
す。生命の主体は遺伝子であって、われわれ人間を含む生き物はすべて、遺伝子の乗り物または又は
うつわに過ぎないという説です。人間を含む生物がなぜ、「死ぬ」のかという点について、最近死の
遺伝子(アポトーシス)が存在するという説が出てきています。従来、固体が老化して死に至るのは、
長い間生きていると遺伝子のコピーがうまくいかなくなっったりして、固体が存続できなくなるから
だろうぐらいに考えられてきました。ところがそうではなくあらかじめ遺伝子の中「死ぬように」に
プログラムされているというのです。遺伝子にとっては、新しい世代に乗り継いでしまえば「前の世
代の固体は死んだ方が都合がよい?」らしいのです。例えば古い世代がいつまでも生きていると、
せっかく進化して獲得した性質が、また元に戻ってしまう可能性があるということです。

我々がコンピュータ関連のエンジニアが仕事上でプログラムを作成する時に、似たような動作をする
プログラムをいくつか用意し動作確認をして、出来のよいものだけを残すことがあります。問題が
発見されれば、改良して新しいバージョンを作成します。うまく動作しないものや古いバージョンの
プログラムは、新しいバージョンがうまく動作するのであれば、まぎらわしいので消してしまうこと
があります。
生物の遺伝子がプログラムのコードであるとすると、古いバージョンのコードは消したほうが有利
という判断を遺伝子がしているのかもしれません。



フラクタル理論の応用としては、画像圧縮技術に使用されています。フラクタル理論では簡単な数
式から無限に複雑な形状を作成できます。逆に複雑な形状を簡単な数式で現すことができれば少ない
データ量でその形状を保存できることになります。



生物には細胞分裂などにより単純に自分のコピーを作って増えていく形態のものとオスとメスが交配
して子孫を残すタイプのものがあります。人間を含む高等な生物は後者のタイプです。後者のタイプ
は親から子へ世代が移る際に遺伝子を混ぜ合わされますので、多様な子孫ができる可能性があります。
多様な子孫を作っておけば、多少の環境の変化がおきても、生き残るものがでてきます。遺伝子の
戦略のひとつです。